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2012-12-18
「夢十夜」にあった水菓子屋
水菓子屋という言葉がある。
言葉があるくらいだから、実際に存在もしてるのだろう。
なにしろ、自分でも使っているのだし。

手をつないで水菓子屋を出た
「それでは、ごきげんよう」
「それでは、ごきげんよう」
あいさつをして右と左にわかれる
不思議なことに洋杖が鼻へ触りさえして
「豚はころりと、豚はころりと
 谷の底からよせばよかった
 舐められて、山門の甍を隠す、餅や」
そんな歌を歌いながら帰った
今度また手をつないで
水菓子屋から出てくる日まで
- 水菓子屋

昨夜、寝る前に夏目漱石の「夢十夜」を読んだ。
第十夜に「水菓子屋」が出てきた。
「洋杖が鼻へ触りさえ」というフレーズもあれば、「豚はころりと」というフレーズもある。
豚に鼻をなめられるというのもある。
「山門の甍」も第六夜にある。
なんのことはない、「夢十夜」から部品を借りて作った詩なのだ。
記憶力に問題があることは昔からうすうす感じていたし、最近は自覚してもいるのだが、これもその例。

ところで、水菓子屋とは何か、
古くは、「くだもの」と「菓子」は、ともに「正式な食事以外の軽い食べ物」全般を指すことができることばでした。つまり、果実類・菓子類・間食や、はては酒のつまみなどのことをひっくるめて「くだもの・菓子」と呼ぶことができたようです。2つのことばの違いは、「和語(やまとことば)」か「漢語(漢字書き・音読みのことば)」か、という程度のもので、あまり意味の違いはなかったものと思われます。
これが江戸時代ごろになると、「菓子」ということばが「人が手を加えて甘く作った食べ物」のことだけを限定的に指すように変化しはじめます。いっぽう果実類を指す場合には、上方では「くだもの」、江戸では「水菓子」ということばが使われるようになったようです。
- 水菓子 | ことば(放送用語) - 最近気になる放送用語 | NHK放送文化研究所

水菓子とは果物のこと、したがって水菓子屋とは果物店のことであるらしい。