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2012-12-18
机竜之助は『大菩薩峠』の主役か
Wikipedia の大菩薩峠の項を見ると、おもな登場人物として、机竜之助、お松、裏宿の七兵衛、宇津木兵馬、お浜、与八、郁太郎、島田虎之助、道庵先生、神尾主膳、お絹、芹沢鴨、お豊、藍玉屋の金蔵、お君、宇治山田の米友、ムク、がんりきの百蔵、お徳、忠作、山崎譲、お角、駒井甚三郎、藤原伊太夫、お銀様、南条力、金助、慢心和尚、芳浜の茂太郎、弁信、お雪ちゃん、田山白雲、浅吉、仏頂寺弥助、丸山勇仙、福松、里見もゆる、金椎、マドロス、梶川与之助、不破の関守氏、柳田平治、轟の源松、近藤勇の44人があげてある。

これらの人物の登場回数を調べてみた。
前項と同じように、その人物の名前が出てくる段落の数をその登場回数とした。
総登場回数が500回を超える人物は次の通りだった。

宇治山田の米友 ****************************** 2934
宇津木兵馬 ********************** 2121
机竜之助 ******************* 1867
お雪ちゃん ***************** 1647
道庵先生 **************** 1538
お銀様 *************** 1437
駒井甚三郎 *************** 1404
裏宿の七兵衛 ************* 1283
お松 ************* 1221
弁信 ************ 1161
お角 ************ 1120
神尾主膳 ************ 1105
田山白雲 ********* 869
与八 ********* 865
お君 ******** 760
芳浜の茂太郎 ******* 654
ムク ******* 635
お絹 ******* 625

宇治山田の米友なる人物が、他を引き離して首位。
机竜之助は3位にすぎない。はたして竜之助は『大菩薩峠』の真の主役なのか。
机竜之助を主役としてはじまった物語が、じつは米友なる人物の物語に変わってしまったのではないか。
というわけで、次回は宇治山田の米友について調べてみようと思う。

人物の数え上げに今回も Awk を使った。
BEGIN {
    split("竜之助 お松 七兵衛 兵馬 お浜 与八 郁太郎 島田 道庵 主膳 お絹 芹沢 お豊 金蔵 お君 米友 ムク 百蔵 お徳 忠作 山崎 お角 駒井 伊太夫 お銀様 南条力 金助 慢心和尚 茂太郎 弁信 お雪 白雲 浅吉 弥助 勇仙 福松 里見 金椎 マドロス 梶川 関守 柳田 源松 近藤", temp)
    for (i in temp) freq[temp[i]] = 0
}
{
    for (key in freq)
        if ($0 ~ key) freq[key]++
}
END {
    for (key in freq)
        print key, freq[key]
}

このスクリプトには問題がある。
たとえば宇津木兵馬という人物は、フルネームの「宇津木兵馬」で調べると281回しか登場しない。
正確に数えるには、「宇津木」と「兵馬」で数えた結果をマージし、さらに宇津木姓の別人や普通名詞の「兵馬」を排除する必要があるが、ここではたんに「兵馬」で調べた。
他の人物についても同じことが言える。