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2019-12-27
妹の出所
妹の夢を見た。
荷車に戸板を2枚載せて彼女が帰ってくる。
泣き出しそうな顔。
ゴミ置き場に置いてこようとして拒否されたのだという。
「ばかだなあ」と自分が引き取って、ノコギリで8枚ずつに切り分ける。
それらを重ねて紐でしばり、両手で下げてゴミ置き場に向かう。妹が引いてきた荷車を使えばよさそうなものだが、荷車は見当たらない。夢の中だから、そのへんはでたらめ。

自分に妹はいない。なのにそんな夢を見たのは、寝る前にマックス・エルンストの詩画集『百頭女』をながめていたため――と夢を思い返していて気付く。

大気より軽やかで、力強く、孤独な――
惑乱、私の妹、百頭女。