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2011-08-23
検屍官
ふいに一瞬間にまったく同じ一刹那に
その鳥の群れがいっぱいに止まっているのを見せるとしても
なんの物音もきこえないにもかかわらず
われわれにそれを区別することが出来るのだろうか
検屍官は部屋の隅へ行き
そして、わたくしの考えるところでは
人間の眼は耳とおなじように不完全な機械であり
しかしなんにも言い分け難き
不思議のありさまにて狂い騒ぐを見せることは、わが席を離れぬ音響とおなじ
しかもわが走り着くを見ていると、一本の木ではないのであって
何者にや検屍官は重おもしく
踏み荒らされたる現場より森のはずれへ
やがてその弾来ぬという

ここにあるこの文言は、すべて本人が死ぬ前に書いたものです
あなたのではありません