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2011-03-23
細工物としての文章
言葉や文章は現実の模造品である。
絵を描いたり模型を作ったりするのと変わらない。
部品を入れ替えたり、配置を工夫したり、接着剤を練りなおしたりしながら、文章は書く。
真実を述べるとか、自分の気持を正直にあらわすとか、そういうことは忘れて、ただ細工物として書く。
どうせ書いてる本人を入れ替えることはできないのだから、真理・真情みたいなものとはいちおう別物として書いても、結果的には本人の言いたいところに近づくのではないか。
表現物は原則嘘っ八。文章だけが真実を述べなければならないということはない。
嘘っ八なのだけれども、本人。
その人がそのようについた嘘、という意味で本人。