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芸能はライブに帰る
発売後2カ月弱で音楽制作ソフトとしては異例の1万5000本を売った 「初音ミク」 の開発元クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長が、 CNET Japan のインタビューに答えている。 以下はその一部。人間はそもそもプロシューマだと思うんです。 原始時代から、 自分たちでモノを作り、 消費しているわけですから。 しかし、 個人ですべてを行うのは効率が悪いので、 分業が進み、 都市が形成され、 経済システムが構築されました。 太字は引用者。 DTM ソフトの成功とは逆方向みたいな話にもなるが、 ミュージシャンの生活と稼ぎについていえば、 複製=大量生産で稼ぐモデルは次第に崩れて、 ライブで食うのが基本になるのではないか。 近代・近世以前、 レコード発明以前のように、 芝居小屋や大道芸で食う時代、 つまり伊藤社長の言う人類の歴史をさかのぼるような動き。 トップミュージシャンの稼ぎはとうぜん減るだろうが、 それでも1回のライブで千人、 万人単位の客を集められるなら、 それで十分ではないか。 売れないミュージシャンなら、 売れないなりに、 小さなライブハウスなどの活動でぎりぎり食えればいいだろう。 もともと CD の売り上げなどは期待できないファン数なのだし。 チンドン屋の復活とか (DTM に支援してもらえば、 一人、 二人の極少人数でも可能)、 一つ一つのメディアは小さくていいのだが、 - CMに富が集中する、日本のメディアのエコシステム - Tech Mom from Silicon Valley このへんの富を、 CGM がピラニアみたいに食い散らす光景も楽しそう。 CGM の広がりは一時的に (あるいは永続的に) クリエイティブ関連ビジネスの売り上げを落とすかもしれないが、 取り分の大きな部分が一部の売れっ子や広告代理店や既存メディアに落ちていることを考えれば、 コンシューマー=クリエーター的な層にとって市場規模の縮小などたいした問題ではないだろう。 ライブに帰るといえば、 最近の話題はマドンナ。 完全デジタル情報通信の時代には、 版権をガードすることは難しい。 実は世界的なトレンドは、 著作権の放棄に向かっている。 つまり作ったものの複製価値を否定する方向だ。 ウェブとか、 CGM とか、 DTM とかいうと、 あらゆる表現行為がデジタル or バーチャルな方向へ収斂して行くかのような気にさせられるが、 実際に起こるのはアナログへの回帰、 アナログ感の回復といったこと。 複製手段の発達と開放が、 複製ビジネスの地位を相対的に低下させるのは当然だし、 世界的なトレンドは、 著作権の放棄に向かっているとすれば、 いずれ複製サービスや送信サービスの主たる担い手はコンシューマーということになるのでは。 -category メディア、 芸能、 音楽、 著作権 [07-10-24]
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