[!] トップページ
[!] 主要カテゴリー
[!] 最新記事
[!] RSS フィード
[!] 過去記事
ロボットは夢を見る ―― コーネル大のヒトデ型ロボットが提起したもの


コーネル大学が開発したヒトデ型ロボットについては、 これまでにも 「意識を持つヒトデ型の自律ロボット」「自分の動きを模索して身をよじるヒトデ型ロボット」 として紹介したが、 このロボットのふるまいを人間の 「夢」 にたとえる見方がある。

このヒトデ型ロボットは、 まずランダムなアクションを行って、 そのアクションの間に得た情報から自己モデルを構築し、 次に起こすべきアクションを作り出す。 このアクションとアクションの間にはさまれた 「思考」 の過程が、 人間でいえば睡眠中に見る夢に相当するのではないかと言うのである。
この指摘は、 コーネル大学の研究成果が掲載されたのと同じ Science 誌 (2006年11月17日号) で、 「What Do Robots Dream Of」 と題して Keck Graduate Institute の Christoph Adami 博士が述べたものだが、 その後の Science 誌 (07年3月2日号) で開発者グループ (Hod Lipson、 Victor Zykov、Bongard) は大筋次のように述べて、 Adami の見方を補足している。

我々が発表したロボットは、 たんに経験を再現して自己モデルを構築し、 そのモデルに基づいてアクションを作り出すだけではない。 あえて内部モデルに矛盾するような断片的なアクションを作り出し、 不適切なシナリオを修正することで、 結果的に自分の知見を改良する。 ロボットが暫定的に作り出す自己モデルやアクションは現実を歪曲したものだが、 最終的には不確実性を解明して最適化されることになる。 人間の見る夢が (このロボットと同様に) 混乱して断片的なのは、 内部モデルとの矛盾に気づいて最適化されるからではないか。

また 「What Do Robots Dream Of」 では、 ロボット心理学の可能性ということが指摘されているが、 これについても開発者グループは、

ロボットが過去の経験に学ぶことと人間が夢を見ることのあいだには、 たがいに応用可能な面がある。 ロボットとそこに搭載されるアルゴリズムは単純なものだが、 人間に関する仮説をロボットを用いてテストすることはできる。 逆に、 人間の知覚に関する研究をロボットの研究に応用することもできる。 とくに、 ロボットがより複雑化し、 内部モデルの明示的な実装にかわって、間接的に (経験から学ぶという形で) モデルが形成されるようになると、 人間に関する研究から開発された間接的手法が、 ロボットの解析においても基本となるだろう。

と述べてテーマを拡張し、 人間心理学とロボット心理学の相互適用というテーマを提起している。

Science 誌 (3月2日号) 記事。
- To Sleep, Perchance to Dream (PDF)

-category ロボット多脚型ロボット
[07-03-25]
この記事のトラックバックURL:
http://www.johf.com/logs/20070325b.tb
[cool movies]