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受け身のメディアの必要性

- Blinkx

映像検索サービスの Blinkx がリニューアルした。 「テレビのような受け身の体験」 を提供するのが狙いという。 (上図)

- 「テレビのような受け身の体験」:映像検索サイトBlinkx、新機能を公開 - CNET Japan

このニュースであらためて思ったのは、 新聞を取るのをやめたあと、 ネットに費やす時間がやたら増えてしまったこと。 「ニュースの格付け装置としてのメディア」 で書いたように、 新聞に代行してもらっていたニュースの整理という作業を、 自分でしなければならなくなったせいだ。

ウェブサイトの記事は、 基本的に1ページ1件に限られる。 目次、 サマリー、 その他のアイテムによって一覧性を提供しようとはしているのだが、 新聞の一覧性の良さには及ばない。 また、 ニュースの格付け機能も新聞やテレビに比べて弱い。

少し考えればわかることだが、 われわれは自分を囲む世界の見取り図を、 自力で一から組み立てているわけにはいかない。 そんなことをしていたら、 一日中情報の摂取と整理に追いまくられて、 それらの情報に基づいて行動を起こしたりする時間はなくなってしまう。 幼児なら家族をフィルターとして世界を認識し、 成長するにつれて、 教室、 地域、 会社といった環境からニュースを取り入れ、 さらに、 新聞、 テレビなどのいわゆる情報メディアの提供する見取り図に従って世界を認識する。 なんらかの情報メディアをとりあえず信用する、 というのが日常生活における認識の出発点だろう。 その上で、 必要や好みに従ってニュースバリューを評価し直し、 詳しい情報がほしければ他のメディアをあたり、 疑わしいニュースについては裏付けを取るといった能動的な行動に移る。 ともかく出発点は受動的であらざるをえない。

そういう見取り図を与えてくれるメディアとして、 ウェブはまだ新聞やテレビに及ばないが、 Blinkx のリニューアルはウェブが既存の有力情報メディアをしのぐためのヒントになるのではないか。 「受け身の体験」 という需要を認識したことがそれだが、 具体的なサイト作りのヒントとして、 動画のサムネイルをベースにしたナビゲーションが参考になる。 動画にしろ静止画にしろ、 一般に画像はテキストより情報量が多い。 言い換えれば、 同一のスペースなら画像のほうが多くの情報を伝えることができ、 サムネイルをうまく配置することで、 新聞に比べて狭小なウェブページでも一覧性を高められる。

自分が昔から感心して見ているものに、 週刊誌の車内吊り広告がある。 デザインにインパクトがあり、 コピーも的確で、 実際に買わなくても記事の内容がわかるほどだから、 そのせいで結局買わなかったりもするわけだが、 それくらい良くできている。


- 電子書籍はeBookJapan : 週刊ポスト 週刊現代

上の画像は、 電子書籍販売サイトのサムネイル。 一見してわかるとおり、 車内吊りや新聞広告の体裁を踏襲している。 この画像は当該週刊誌のページにリンクしているだけで、 個別の記事にリンクしているわけではないが、 一覧性にすぐれ、 記事のランク付けも明確。 個々の記事に飛べるようになれば、 ユーザーインターフェースとしてさらに有用性が増すだろう。 一定のスペースに、 より多くの情報を詰め込む手法として、 Blinkx のページ作りに通じるものがあり、 ウェブサイトとくに総合的なニュースサイトのデザインに応用したい例ではないか。

新奇なメディアとしてのインターネットの時代が終わり、 利用者が疲れたり、 飽きを感じたりするにつれ、 「受け身の体験」 というコンセプトは効いてくるだろう。 そういう流れを意識的に受け止めたのが、 今回の Blinkx のリニューアルといえる。

-category メディア新聞放送広告
[06-10-11]
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trackbacks (2)

クリックするだけがネットじゃない:映像検索サイトBlinkx 2006-10-12
YouTube×Googleの話の続きを昼にぱしっと書いていたところなのですが。 ネットは能動という条件をクリアして、なるべく楽に使えるように出来ないかという動きも少なからずあるんですよね、という事例
受け身のメディア 2006-10-13
9月末に未踏ソフトに応募した。そのコンセプトがちょうどこの記事と同じだった。 みんな同じ不満を感じているんだな。 自分の場合は動画ではなく、あらゆるコンテンツ(画像、テキスト)を少ないアクションで大量…
[cool movies]