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トマトは種を抜いてから食え
なんて今ごろ教えられても
すでにトマトは、腹の中で芽を出して
根も張って、とっくに手遅れ
- トマト男
2017-09-05
砂男
夜の路上で二人の男が出会う。
一方の男が一方的に話しかけ、歌う。

台詞 砂男さん、こんばんわ

  シルクハットに燕尾服
   手品師みたいな格好をして
   あなたは今夜も
   人間の目玉を集めているのですね

台詞 楽しいですか、愉快ですか
   やりがいはありますか
   ああ、そうでした
   あなたは半月の巣に
   子どもたちを待たせてるんですね
          待たせてるんですね
            待たせてるんですね

  子どもたちは、かわいいですか
   お父さんのことは好きですか
   その子どもたちの餌に
   人間の目玉を持ってかえってあげないと

台詞 持ってかえってあげないと

  いけないんですね

台詞 いけないんですね
      目玉を持ってかえってあげないと
         いけないんですね
            いけないんですね

  そんなことを言いながら
      そんなことを言いながら

台詞 そんなことを言いながら

  相手の油断を見すまして
   ポケットに隠し持った目つぶしを

台詞 はい、わたしにも半月の巣で
   腹をすかせて待つ子どもたちが
   いるものですから、はい
   目つぶしの砂を
   思い切り投げつけたのですが

  敵もさるもの
      さるもの
   コートの袖でなぎ払われて
   どうやらことは長引きそう

台詞 知ってましたか?
   夜の路上で
   目つぶしの砂を投げ合ってる男たちがいたら

  それはわれわれ砂男族です
   それはわれわれ砂男族です