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2015-03-04
自分と他人が区別できない
他人と自分の区別ができない。
つい他人も自分と同じ考え方、感性、語彙などを共有する同類だと思ってしまう。
それでいつもコミュニケーションをやりそこなう。
違うんだよ、他人と自分は。そうは思うのだが現実場面では忘れてしまう。

魚の群のなかの一匹一匹が群の動きに追随する。
自己と他者が区別できないからである。
隣の一匹が動くと、それを自分だと思って同じ方向に動いてしまう。結果として群がそろって同じ方向に動く。

マカクザルの新生児が相手の表情を真似ている。

- ミラーニューロン - Wikipedia

相手が舌を出すと自分も舌を出す。
研究者は気づいてないかもしれないが、これは相手を真似ているのではない。自分を真似ている。
新生児は自分と他人の区別がつかない。目の前の飼い主が舌を出したのを見ると、自分が舌を出したかのように感じて動きをシンクロさせてしまう。

鳥類などの刷り込みも同じ。
新生児は生まれて最初に見たものを親だと思い込むとされている。
これも正しくは、親ではなく自分だと思い込むのである。
新生児は自分の身体の内部構造を知っている(もちろん無意識にだが)。また、内部構造の表れとしての外見も知っている。
そのため、目の前に自分と似た外見の者が現れると、それを自分だと思い込む。相手の外見を自分の内部構造と混同するのである。そして成長するまで、あるいは成長してからも、その相手に付いてまわる。